紀元前5世紀から、モザイクは主に皇帝や貴族の館の 内外装を飾るために使われてきました。ローマ時代に は、このスタイルはフランス・スペイン・イギリス・オーストリ アなどヨーロッパ全土だけでなく、エジプト・チュニジアな どアフリカにもくまなく広がりました。 モザイクの特徴は各時代において全く異なる特性があ ることです。およそ紀元前8世紀から5世紀のローマ時 代にはギリシャ神話や皇帝の肖像、春夏秋冬のような 自然をテーマに、モザイクはカーペットの様に館の床を 飾っていました。主に川原のカラフルな小石や様々な 色の大理石などの素材が使われていました。
ビザンチン時代から、主だったモザイクのテーマは宗教に 変わり、芸術家は金を使用し始めました。 さらに、モザイクが通常発見される場所が床から壁や 天井に移動しました。
以前はモザイク作成のプロセスは壁に直接小さな欠片 をくっつけていく、とても骨の折れて時間のかかるもので したが、1900年、最初に紙の上で作業をして目的の 場所にデザインを転写することで時間を節約する新し い方法が考え出されました。 今日では、モザイクには金・大理石・不透明ガラス・金 属・木・プラスチック・セラミックやその他様々な素材が 使われ、小さな絵から彫刻・建築だけでなく公園・バス ルーム・家の内装までも飾るようになり、モザイク芸術 はもはや教会や大聖堂に限られません。